平安時代末期に成立したといわれる現存最大の説話集。
約1000話(題名のみの話を含めると1059話)を集め、全31巻だがそのうち3巻はない。インド・中国・日本の三国の説話が収録されている。
『今昔物語』とも言われるが「集」が付くほうが正しい。
鈴鹿本(原文)は漢字仮名交じり文で書かれている。
天竺(インド)の5巻、震旦(中国)の5巻、本朝(日本)の21巻の3部で構成され、さらに各部は仏教説話と世俗説話とに分類されている。各部の先頭はおよそ年代的に最初の説話で始められている。
各話は「今昔」(今は昔)という書き出しで始められ、「語り伝えたるとや」で終わる。近世以前は「こんじゃくものがたり」とは読まず、「いまはむかしのものがたり」と読まれていた。
似ている話が2つ(あるいは3つ)並べて配置されている(=二話一類様式)。
右の写真は今昔物語集の江戸時代の写本の一部
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